このページでは、プランターを使った家庭菜園でトマトの栽培をスタートさせて食べてゴールするまでの記録です。生育に成功すれば記事の内容が増えていき、失敗したらそこで終わりとなります。
このページの流れは、私が勉強したトマトの栽培方法をざっと紹介したあと、生長記録とともに実際の手順など交えた内容が順次追加されていきます。
まずは、トマトの栽培方法や育て方から。トマトの苗から育てる場合も基本的な育て方は同じですので、種から発芽させる部分を飛ばして読んでいただければと思います。
トマトの栽培方法・育て方
家庭菜園で人気の野菜であるトマトは大・中・ミニ、3種類あり、一番簡単で収穫できる数が多いのはミニトマト。大玉トマトは栽培が少し難しく初心者には向かないとされています。
トマトはナス科の野菜で連作障害を起こすため、ナス・トマト・ピーマンを育てた土は使えません。ナス科の野菜を育ていても5年経過した土であれば使えるとされていますが、今ある土を使うなら他の野菜を育てた土か、新しい土を使用するほうが確実です。
育苗から定植まで
- 種をまく季節は春から梅雨ごろ
- ポリポット(9cm)ひとつにつきトマトの種を2~3粒
- 芽が出たら発育の良い芽だけを残して間引き
- 本葉が7~8枚が定植のタイミング
- 株間は広くとる
気温が10°になる日が続くと育ちが悪く、変色しやすくなるので春になってすぐは避ける。関東でのトマトの種まきの時期は4月中旬~6月上旬までが最適。
培養土を入れたポリポットに2~3粒のトマトの種を入れて芽が出るまで育苗する。ポリポットで育苗中は保温できる所に置いて成長を待ちます。芽が出たら一番大きい1本を残して他は抜く(間引き)
本葉が7~8枚になった頃、プランターへ定植させますが、花のつぼみができてから定植するとより実ができやすくなる。目安となる日数は50日前後。
プランターで栽培するときは十分な間隔を空ける。植えたらたっぷりの水を与えて馴染ませてあげる。
プランターの準備
- 植木鉢は10号(直径30cm)・長方形のプランターでは幅30cm以上
- プランターへ鉢底石を敷き詰める
- 培養土を8分目まで入れる
トマトの根っこはしっかりと深くまで張るので高さは30cmほどある植木鉢・プランターを選ぶのが良い。
鉢底石はプランターの底が見えなくなるぐらいに敷き詰める。野菜用の培養土を使えば、肥料などは不要。土は入れすぎても少なすぎても良くないので8割ほど入れれば大丈夫。
定植後のお世話
- プランターは風通しと日当たりの良い場所へ置く
- 苗が小さいころは細い支柱、大きくなったら長い支柱へ
- 大きくなったら「誘引」をする
- 花が咲き始めたら「わき芽」を摘み取る
- 2週間に一回の追肥を行う
- さらに成長してきたら「摘心」する
プランターは風通しと日当たりが良いところへ。梅雨の時期などで雨が直接当たると生育に良くないので屋根の下に置くのがベスト。
定植してすぐ、苗がまだ小さいころは細い支柱を使い、大きく育ったら2mほどの長い支柱を刺してあげる。
大きくなってから、茎と支柱を麻紐で結びツルが巻き付きやすくします(誘引)。成長と同時に茎へ傷がつかないように、麻紐は優しく緩めに結びします。
茎にできる小さな芽(わき芽)を摘み取るときは晴れた日の朝に行う。これは日光で切れ目を乾かすことで、苗が傷むのを防ぐためです。
培養土に含まれている栄養分は栽培を続けていくうちになくなる。目安は3週間後に1度、そのあとは2週間に一回のペースで追肥していく。化成肥料10g程度を土に撒く。
2mの支柱に届きそうになったところで先端の芽を摘み取り(摘心)成長を止めます。
水やりで注意すること
- 毎日の水やりは昼前に行う
- 葉っぱにかからないように水を与える
根っこが多くたくさんの水を吸収しますので毎日たっぷりと。梅雨どきは水をあげすぎると根腐れの原因になる。夏は土が乾燥しやすく、状況によっては朝と昼2度水やりが必要になる。水やりは、葉っぱにかからないよう低い位置で行う。
節約の目安
- 350円のトマトの種
- 800円のハイポネックス培養土
- 1000円の長方形プランター
- 800円の化成肥料
トマトの種以外は私の家にあったものを使用していますが、初期費用の目安としては総額2950円ほど掛かっています。
6個入り350円とした場合、50個~60個で元が取れますね。トマトの栽培は正しい技術でしっかりと収穫を行えばひとつの苗で何度か再収穫ができるようです。2ヶ月3ヶ月と続けて収穫できれば完全な節約が成立します。
それではここから下が実際の栽培記録になります。
家庭菜園でトマト代の節約を目指す栽培記録
ここからは自由に書いていきます。実際にトマトを栽培して実らせるまでの栽培記録を順次残していきます。
私の悪い癖で、前情報入れずにはじめちゃったので最初のほうは正しい方法ではありません。それと初心者のくせに大玉のトマトに手を出してます。途中から上記に書いた栽培方法を実践していきます。
今回使っている道具は以前、小松菜のリボベジで使用したものを再利用しています。
無限収穫に失敗しましたので残った培養土をリサイクルさせて使っています。
ポリポットでトマトの種を育苗するまで
2020年3月26日
トマトの種をポリポットで育苗を始めました。種の袋の説明文には書いていないのでポリポットひとつに一粒が入ってます。小さいプランターに小さな穴をたくさん開けたゴミ袋でフタをして、保温の良い状態を作って育苗しました。
2020年4月10日
小さな芽が生まれる。約2週間までなにも起こらず失敗したかと思いましたが、無事に育苗は成功したようです。
2020年5月4日
出てきた芽が成長して大きくなりました。そろそろ大丈夫だろうと思いプランターへ植え替えました。
ここで答え合わせです。
有りものなので7mmポリポットを使ってますが標準は9mmです。ポリポットに一粒入れましたが2~3粒入れて育ちの良い芽を使うのが正しいです。プランターへ植え替える時期は50日が経過して本葉が7~8枚になったころです。
私の方法では小さいポリポットなので芽が出ても伸びしろがなく大きく育たない。たとえ50日経っても本葉7~8枚にはならない。
つまり、スタートからコケました・・・。しかも、このトマト、初心者に向かない「大玉トマト」です。どうなるんでしょう、後戻りできないので続けますけど・・・。
一回使った土でプランターを準備する
プランターにリボベジ小松菜で残った土が残っていたので、新しい培養土を少し足して使っています。20gほどの化成肥料を混ぜ、水を加えながら全体に栄養が行き渡るようにスコップで耕して一か月前から準備していました。
トマトの種がはじめての芽を出してから数日経ったころ
何者かに準備していたプランターが掘り返されました。写真の右側にくぼみができていますよね。誰だよこんなことしたやつ。絶対に許さねぇ!
スコップでザクザク耕しながら土をならしていくと、異臭がしました。どこか遠くの方からくる臭いかな?と思いながら耕していると、スコップを入れるたびに激クサ臭が!
匂いの原因がプランターであることが分かりました。休みの日の朝ベランダの窓を開けると、
こっち見てますね。この野良猫が糞尿を撒き散らしてプランターのなかに隠した犯人です。許しました。しょうがないしょうがない。
竹酢液の原液をプランターに染みこませて、バケツで大量の水を流し込み、黒いゴミ袋で密閉して直射日光に当て続けたら激クサ臭は消えましたよ。
私の地域では土を捨てるときはホームセンターへ引き取ってもらうぐらいしか方法がないので、あんな大量の臭い土は持っていけないですよ。自分としてもお店としても困ります。
試しに1本のトマトの苗を植えて数日、様子を見ましたが枯れずに順調に成長しているので、ひとまず土の状態は問題なさそうです。
育苗したトマトの苗をプランターへ定植する
野良猫のトイレにされたプランターもなんとか回復したようなので、本格的に定植しました。
トマトの苗を植えるときに苗の周りの土が盛り上がるように土寄せをしてあげる。砂場で山を作るように両サイドから寄せてあげればOK。
匂いがなくなったとはいえ元野良猫の糞尿入りなのでスコップで寄せましたが、キレイな土なら両手で行うほうが苗には良いです。
畑では株間50cmの間隔を空けますが、プランターでは狭いのでジグザグに植えます。たくさんの根を張る野菜をプランターで育てるとき、特にゴーヤなどを植えるときにも対角線上に植えるのは有効な方法となります。
風通しと日当たりの良い場所に置いて朝の水やりをしながら2020年5月6日(40日)までは問題なく育っています。
46日後のトマトの近況と春の天敵
2020年5月12日
化成肥料を少し追肥して栽培を続けましたが、問題なく成長してくれています。本来であればポリポットから定植するタイミングはこのぐらいに育ってから。私のは早すぎました。ひとまずは元気に育っていくれているし、寒かった春の気温も安定して環境も良くなってきています。
そんななか、トマトの苗の根元部分に小さな芽が出ているのを発見しました。これはおそらく毎年春になるとプランターに寄生する天敵「タンポポ」でしょう。私にとっても植物にとっても天敵のタンポポです。ワタボウシが土の上に乗っているのを見ましたから間違いないでしょう。
水分と栄養分を根こそぎ奪い、野菜の成長を妨げます。そして、洗濯物に大量に付着するので人間の作業を遅らせます。春の訪れを知らせてくれるタンポポですが、家庭菜園やガーデニングをしている者にとっては色々迷惑。
成長してから引き抜くと土の中で根っこが絡み栽培中の野菜も一緒に抜ける可能性があるので、小さい芽のうちに摘み取っておくのが無難です。
支柱と芽かきを終える
まだ小さいですが、支柱を立てて苗が安定するようにしました。大きくなっていなので1mくらいの長さで細い支柱を苗のギリギリのところに立てました。さらなる成長を待ってから2mほどの長さの支柱へ変えます。
それと、芽かきをして主となる枝だけが成長するように調整しました。どの芽を摘めば良いのかわからず少し探していしまいましたが、実物をみたらあっさり見つけられます。
小さい芽をかき取るだけなのですが、トマトの成長を促すためにわりと重要な手順です。芽かきができないほど小さい芽もありますが、大きくなるスピードが早いので見つけたら早めに摘み取ります。
支柱への誘引とさらなる芽かき
2020年5月29日。
天気の悪い日が続いていたが、やっと晴れる日がやってきました。この日を利用して、苗がまだ小さかったためただ刺しただけだった支柱に麻紐を使って誘引させました。茎と支柱の間に少し余裕を空けて、8の字を書くように絡ませて結びます。きつく結ぶとさらに大きく成長するときに茎や枝を傷つけるために緩めにするが良いです。
天気の良い日にまとめてやっておきたかったのが、芽かき。かき取った切り口から病気になる可能性があるため、十分乾かせるように良く晴れた乾燥した日に行うのが芽かきは良いです。発芽してから定植するまでにずっと見逃していた最初のわき芽をやっと切ることができました。
だいぶ生長していましたが、カッターで切り落とした部分をしっかり直射日光に当て「カサブタ」状に仕立てました。トマトのわき芽は時間が経つと同じところに生えてくるので、小さいわき芽もこの日に再度かき取っておきました。
はじめての花
2020年6月1日。
はじめての花が咲きましたよ。また雨が降ったり曇ったりが続くようになってしまいましたが、順調に成長を続けてくれています。大玉トマトは花から実を結実しやすくする必要がありますので、次はホルモン剤を吹きかけます。
ホルモン剤「トマトトーン」を花に吹きかける
2020年6月5日
楽天市場から注文したホルモン剤「トマトトーン」が花が枯れる前に届くかヒヤヒヤしていましたが、なんとかギリギリ間に合いました。大玉のトマトを実らせるために必需品となるホルモン剤を吹きかける時の注意点は、花以外にはかけないこと、花一つに一回だけ。
中指と薬指で花房を挟むようにすると、葉っぱや茎にかからずにスプレーを吹きかけることができます。葉っぱや茎にかけてしまうと病気になりやすくなったり、枯れる原因となるので慎重に行いました。また、実ったトマトが病気になって奇形になりやすいので吹きかけるのは、花一つにつき一回きりにしておきます。
はじめてのトマトが実りだす
2020年6月12日
ホルモン剤を吹きかけてから1週間ほど経過したころ、はじめてのトマトが実りだしました。ホルモン剤の説明書に「吹きかけてからすぐに効果がわかります」と書いてありましたが、本当にすぐに結果がでて、ビー玉ぐらいの大きさの小さいトマトがひと株につき3個ほど付いていました。
2020年6月15日
3日経ってから確認してみると、第一花房(かぼう)のトマトたちは順調に育ってくれているようでひとまずホッとしました。大きさはゴルフボールくらいの大きさになっています。
安心した矢先にトマトが尻腐れ
2020年6月20日
やっと実を付けた第一花房のトマトたちは、順調に育っていた時からわずか5日で尻腐れになっていました。厳密に言うとこの写真を撮る前日の夜まではなにも問題なかったのですが、翌朝には黒くなって尻腐れを始めていました。約数時間で写真のようになってしまったことになります。
見つけ次第すぐに取り除いたほうが良いということだったので、尻腐れになっているトマトを全部取り、その後、簡易的な対策を施しました。
写真は第二花房のトマトですが、尻腐れが起こらないように簡易的な対策を施します。実の付いている花房の裏にある葉っぱを切り落とすことで簡単に予防できるということで試してみました。
これだけで欠乏しているカルシウムを実へ送れるようになり、予防ができるというものです。ついでに第一花房の下葉をかき取って様子をみます。
残りのトマトは元気に育っている
2020年06月26日
尻腐れ対策をしてから数日が経ちましたが、いまのところ黒ずんできている実は見当たりません。とても簡単にできるこの尻腐れ対策の威力はすごかったです。
病気だけでなく、ひどく天気の悪い日が続いたうえに梅雨入りまでしてしまった状況でも私のトマトたちは負けずに成長してくれてます。早く赤くなってほしいところです。
トマトの実が真っ赤になる
2020年7月8日
やっと実ったトマトが、ついに真っ赤になってくれました。また奥に見えるトマトも遅れて実ってくれています。
2020年7月10日
何もつけず切ったままで食べましたが、濃い味で格別に美味しかったです。新鮮な野菜を生で食べられるのは、自分で栽培した人だけの特権ですよね。
さらにたくさんのトマトが実る
2020年7月10日
悪天候のなか、キレイで真っ赤なトマトが3個同時に実ってくれました。とても頑張ってくれています。
写真に収め忘れてしまいましたが、こちらもシンプルに塩だけで食べましたが、相変わらず濃い味で、スーパーのものでは味わえない強い香りを放つ新鮮なトマトでした。
8月には枯れ始める
2020年8月14日
赤い実が付いているものの、葉っぱを含む全体は枯れ始めてしまいました。こうなってしまうと再生させるのは困難です。
2020年8月28日
2週間ほど経過すると茎・葉っぱ全体が枯れてしまいます。完全に再起不能となり、今年はこれ以上育てることができなくなりました。
決して成功といえないトマト栽培はなぜ失敗したのか?
家庭菜園でもっとも難しいとされているトマトの栽培では、収穫はあったものの決して成功したとはいえない結果となりました。
失敗してしまった原因は、まず間違いなく3つの苗を欲張って同時に植えたことがいけなかったのでしょう。
「横59cm×縦18cm×深さ23cm」このサイズのプランターでトマトを育てるには、そもそも深さが10cm足りてません。
やむを得ず使ったプランターだとしても、多くて2つの苗までで留めておくべきでした。反省しなければなりません。
結局、収穫できたのは中玉サイズ4個だけで、大玉になったトマトは0個という結果に終わりました。
まとめ
3ヶ月以上に渡って栽培してきた大玉トマトのプランター菜園は見事に失敗に終わりました・・・。
明らかな失敗の原因がわかっているので、次回に活かせるようにしていきたいものです。
それから、そもそも節約できるかを検証するための日記でしたが、話にならないぐらいの出費となりましたよ。
野菜の栽培には季節が関係しますからやってみなきゃわからないところはありますが、しっかりと知識を身に付けてからやるべきだったことを反省します。
来年また挑戦できたらここで公開していきますね。
最後までお読みいただきありがとうございました。