今から2年前の2019年に挑戦した「豆苗のリボベジ」ですが、リベンジすると言っておきながら、なにかと理由をつくり先延ばしにし、今日まで放置していました。
そんな「土豆苗のリボベジ」は、毎年春になると連日たくさんの方からアクセスしていただいています。
こんな小さなブログへ訪れていただいているのだから、2021年にもう一度土へ植えて育ててみることにしました。
前回の失敗を教訓にしながら再チャレンジした、土で育てる豆苗の栽培記録を書いていきます。
- 豆苗を土へ植える前の準備
- 2パターンの豆苗で成長の違いを観察、豆苗の栽培記録
- 豆苗のリボベジ栽培まとめ
豆苗を土へ植える前の準備
前回の栽培では、スーパーで買ってきた四角い豆苗の根元を真っ二つに分断した苗を使いましたが、成長しすぎた自分の重さに耐え切れず真っ直ぐ伸ないばかりか、栄養も十分に行き届かず最後は枯れ果てました。
この経験を活かし、一般的な栽培方法と同じように種を発芽させ間引きをしてから栽培する方法をとりました。
今回は土へ植える前に成長の早い種を選別して、種一粒づつ栽培することにしました。そのため、あらかじめ水栽培で大きくなるまで待ちます。
食材に使った豆苗を水に浸して芽の成長を待つこと数日、1本だけ異常な速度の個体を発見しました!
市販の豆苗では思い通りいかない
この優秀な1本は確実に植えるつもりでいましたが、店で売られている豆苗の根っこは想像を超えるぐらい絡みついていて、種を残してあっさりとちぎれました・・・。
かろうじて種は残らなかったものの、か細い根っこ数本は残されていたので、土へ植え替えてあげることに。その後も成長速度、第2位・第3位の種も見事にちぎれたため、実験を含む栽培へ移行します。
簡単な実験も含め、計10本の苗を準備
成長の早い苗を見つけるための水栽培も意味をなくし、縁でむき出しになっている種を使用しました。
むき出しとはいえ、根っこは想像以上に深く絡みついているので、キレイに分けるのは大変です。
真ん中の種がないものが一番成長が早くて、間引きでちぎれた優秀だった苗です。
慎重に根っこを解いた5本を土栽培用に確保し、残りは切って食べました。
また、その切れ端を見ていると、「捨てるのもったいない気持ち」が沸き上がり、再び根っこを解いてあげました。
結局、苗として使ったのは水栽培で成長した5本と、さらにもう一度食べたばかりの5本、合計10本の苗で成長の違いを試してみることになりました。
プランターのサイズを一回り大きく、植える種の深さは1.5cm~2cm
前回使用した100円ショップの小さいプランターから、私のブログでたびたび登場している園芸用プランターを使います。
深さと縦横の幅がちょうど良いサイズで、小松菜やトマトの栽培のときに活躍したプランターです。
このプランターへトマトの栽培で使った分も合わせて培養土をたっぷり15kgほど敷き詰めました。
豆苗を植えるときの土の深さは、1.5cm~2cmを目安に開けた穴へ種を投入します。
並べ方は、再生1回目の列に5本、もう一方を再生2回目の列に5本、というふうに分けました。
再生1回目の豆苗はやや成長していて自重に耐え切れず垂れてしまうため、支柱で矯正していました。
写真の手前に並んでいるのが再生2回目の豆苗たちです。
2パターンの豆苗で成長の違いを観察、豆苗の栽培記録
次こそは成功させるつもりで再チャレンジした豆苗は結局、実験を含めた栽培となってしまいました。
ここからは2021年3月28日から始めた豆苗の土栽培の記録を書いていきます。
3月28日植えたばかりの豆苗たち
少し成長させてから植えた再生1回目と、その豆苗を切って土へ植えた再生2回目の2種類の栽培を同時にはじめました。
植えたばかりのときはプランターの外へ垂れてしまい、早速不安いっぱいに。
先述したとおり、支柱を施すことで問題を解消しました。
4月6日成長に差がうまれる
土へ植えてから1週間が経過してみると、再生1回目の成長に変化がありました。
写真の真ん中は種無しになった優秀な一本、予想通りくしゃくしゃになって枯れていきました。そして写真左の種付きも元々弱かったのか、この時点で枯れ始めていました。
その他は、葉っぱと茎が緑色をしていてまだまだ元気そうです。
4月17日成長の優越がはっきりと別れ始める
3週間が経過してから10本の豆苗の成長には、はっきりと変化が出始めました。
まず再生1回目のほうは、完全に3本だけになり、他2本は細くやつれて枯れていました。次に手前の再生2回目は、ほとんどが成長を止めるなか1本だけゆっくり成長を続けています。
成長速度に大きな差が生まれ、今後この4本を枯らさないように力を入れて育てていく方針が決まりました。
成長中の豆苗のアップ写真
注目の2本のアップで撮った写真を載せます。
■再生1回目の列で一番成長の早い豆苗
葉っぱが大きく成長しているなかで、ほっそいツタが必死に支柱に絡みついているのが可愛らしい。
■再生2回目の列で唯一生き残った1本
2回目ともなると生命力の強い豆苗でも、再生力が落ちてしまうなかで頑張って5枚ほどの葉っぱをつけて成長を続けています。
4月24日なかなか支柱に絡まない2本に麻紐で誘引
4週間が経過すると、再生1回目の2本がツタがまったく支柱に絡みつかないので施術しました。
風の強い日が続くためか、写真右の2本がまったく支柱にツタを巻きつけてくれないので麻紐で縛り誘引しました。縛り方はトマトの栽培と同じく、茎に傷がつかないよう8の字です。
これでうまく支柱へ巻きついてくれればよいのですが・・・。
大きく成長している方には、さらに大きくなっても良いように一回り太く長い支柱を刺しました。再生2回目のほうは、マイペースに成長を続けていますよ。
5月3日成長が安定してくる
土へ植えて5週間経った5月3日、4本の豆苗の成長がやっと安定してきました。
再生1回目の列では、とどまることを知らない1本が大きな葉っぱをつけはじめ、あと少しで花を咲かせる勢いに。
奥の2本は成長こそ遅いものの、麻紐で施した誘引が効果を発揮してしっかり支柱へ巻きついてくれるようになりました。これで強風が吹いても安心です。
再生2回目の左の1本は、こちらも成長遅く心配になりますが、誘引せずとも支柱へツタを絡ませていました。
土へ植える前の水栽培と再生回数からわかった成長差
現状でわかってきたことは、水栽培である程度成長させてきた再生1回目の3本は水で育てたためなのか、根元が痩せ細くなっていて自分の重さに耐えられずたるみ始めていること。
一番成長の早い豆苗は完全にたるんたるんになっており、他の2本もたゆんとしています。その反面、土から育てた再生2回目は生存率は低いものの、残った1本の根元は同じ太さで成長している印象です。
アボカドも種から土へ植えたほうがしっかりした幹ができましたので、豆苗も水栽培で育てすぎるのは良くないのかもしれませんね。
アボカドを水栽培から土へ植え替えた場合と直接土へ植えた場合の違いはこの記事に書いています。
5月15日成長した豆苗に花が咲く
7週間経った4本の豆苗たちは、途中、追肥を終えひとつも枯れることなく成長を続けています。
左の豆苗は130cmぐらいの大きさに成長しました。左の一本に気を取られて他3本に変化は見られないように見えますが、葉・茎ともに大きく太くなっていますよ。
そして!
一番大きな豆苗の先端に、花が咲きました!花が成長しきったら実がなりますので、もう少しで収穫できそうです。
5月22日悪天候が続いたけど、成功したかも
土へ植えた豆苗は、8週間(2ヶ月)が経過しました。曇り続きで陽のあたる時間が短く、一日に何度も雨が降ったり止んだりを繰り返し、さらに連日強風だった一週間を耐えました。
強風の中でも支柱から外れることなく、成長を続けています。ただちょっと心配なところもあります。
大きくなりすぎて根元がうねって曲がってしまっています。色も少し黄色くなっていて枯れてしまわないか不安が残ります。
水栽培で育てた期間が長すぎて根元が痩せてしまったのかもしれません・・・。そんな根元が心配な豆苗の上部には、不安を吹き飛ばしてくれるような出来ごとがありました。
先週咲いた花の上に、さらに新しい花が咲いています!大きな花じゃないけど鮮やかですよ。
そのうえ、先週咲いていた花は、さらに、
見事なサヤエンドウに姿を変えていました!スーパーで見かけるものと遜色ない出来です!
前回の栽培では、小さな実を付け始めたところで枯れてしまったので、今回は成功かも知れないです。
考えると花が咲いている期間はものすごく短いですね。
収穫は花が咲いてから25日前後
実がついてくると毎回困ることは、収穫のタイミング。
成長をずっと見守ってきた身として、収穫自体はばかれます。かといってそのままにしておくと食べられなくなってしまうので、非常に困ります。
ちょっと調べてみると、サヤエンドウ収穫のタイミングは「花が咲いてから25日前後」がベストだということです。
初めの花が5月15日だとすると6月9日がちょうど25日になる計算です。
もうだいぶ大きくなってるけど大丈夫かな・・・。様子見ながら収穫して行きたいと思います。
5月30日枯れそうなのでサヤエンドウを収穫
日当たりの悪い日が続いて、状況はあまり良くない1週間となりました。
雨と曇りが続く悪天候が原因なのか、4本の豆苗の根元が変色してきて枯れたような状態になっています。さらに、重すぎてかなり湾曲してから支柱に巻き付いていて今後が心配になってきました。
天気が悪いなかでも一番成長している豆苗のサヤエンドウは6つに増えました。とはいえ、下に付いているサヤエンドウは少し傷みはじめていたので、早急に収穫することにしました。
サヤエンドウが枯れ果てる前に収穫・試食
豆苗の根元は枯れ、サヤエンドウも枯れはじめていたので、収穫までの25日間を待たずに収穫しました。
全枯れが怖くて6本すべて収穫。
鍋に入れたお湯に塩だけ入れて「塩ゆで」です。
完成。
自分で育てたサヤエンドウを食べた感想
まず、もっとも成長したサヤエンドウをサヤごと食べてましたが、スジが固く噛み切れないほどに成長していました。茹でる前にスジを取りましたが、手でちぎるぐらいでは足りなかったようです。逆に一番若いサヤエンドウはまるごと食べられましたよ。
そして、6本食べた「味」の感想は、とにかく美味い!です。
サヤの中のエンドウ豆はこの上なく甘い!ここまで甘い豆を無加工で食べたことないくらい甘かったですよ。さらに鼻を抜ける豆の香りが最高に芳しかった。
スーパーの野菜は収穫から3日程度は必要と言われていますから、収穫した直後に茹でた我が家のサヤエンドウは非常に鮮度が高い本物の野菜の味を体験できたように思います。
2021年6月7日、収穫を終えた豆苗の色が変わる
9週間が経過してまた変化が表れ始めました。サヤエンドウを収穫できた一番大きく成長していた豆苗が変色を始めています。
下の葉に黄色く変色していることが確認できます。
豪雨のあとに晴天になったり、一日曇りだったりと天気が安定しない1週間だったからなのか、何かの病気なのか原因不明ですが、回復してくれることを願います。
他3本は大きな変化は見られませんが、元気に成長を続けていました。
2021年6月13日、4本の豆苗が心配な姿に
雨の日が少なくなり、一気に夏のような暑い日々が続いた10週目は、絶望的な状況になっていました。
全体的に黄色く変色している部分が目立ちます。
根元の部分が一番心配な点。植え替え当初から気になっていたところです。水での栽培が長すぎたため根元がやせ細ったまま成長してしまい、今になってその影響が出てきたようです。
上部のように太くなることもなくずっと細いまま変色してしまいました。
1回目の再生豆苗3本と2回目の豆苗1本の状態
「1回目の豆苗」で一番大きく成長し収穫までできた1本は上から下までキレイに枯れました。他2本も下葉がカサカサになっているものの、小さなサヤエンドウを付けはじめています。
「2回目の豆苗」はかろうじて原型を留めている状況です。こっちも小さなサヤエンドウを実らせています。
4本共通している点は、葉っぱや茎にたくさん細かい斑点がついていること。
調べてみると高温多湿になる季節に起こりやすい「褐斑病(かっぱんびょう)」という病気に似ている気がします。
サヤエンドウ収穫したいのですが、もう少し様子を見たいと思います。
2021年6月14日褐斑病の疑いのある豆苗へ薬品をかける
葉っぱに小さな斑点がたくさんついてしまった豆苗の株を調べてみると、サヤエンドウの病気である褐斑病の可能性が出てきたので、対処することにしました。
「褐斑病」とは、簡単にまとめると、高温多湿が原因で土壌内にカビが発生し、成長中の株の根元が枯れ、葉っぱに斑点を付ける病気。特徴的な症状としては根元(下)から黄色く変色して上部へ到達すること。
サヤエンドウに限らずキュウリなど多くの野菜がかかってしまう病気でした。
とはいえ、「市販の薬品で対処すれば治る!」ということでしたので、即刻購入しました。
使用した薬品は、野菜だけでなく観葉植物の病害に効果のある「家庭園芸殺菌剤トップジン M 」ペーストや液体などいくつか種類がありますが私は粉末を選びました。
サヤエンドウには1袋(1g)を2000倍に薄めて使うので、2Lペットボトルを利用すれば分量を気にせず簡単に薬液が作れます。
作った薬液は葉っぱに散布していくのですが、100円ショップで買ったペットボトルに取り付けられるスプレーを使いました。
何かに使えると思って買っていましたが、思わぬ所で有効活用できました。
散布するときは、症状の出ている葉っぱへ直接かけます。ポタポタ滴り落ちるほどたっぷりあげていいそうですので思いっきりと。
薬液を散布する時の注意点
これで改善してくれると良いのですが、ここで少し問題が・・・。薬液を散布する時の注意事項に以下の内容が記されています。
- 早朝or夕方の風が弱い時間帯に散布
- 日差しの強い日は避ける
- 雨が多く降ると薬剤は流れてしまう
1と2はクリアできるとしても、この梅雨の時期に雨が降る日を避けることは困難です。
ということで私の豆苗は薬液を散布した2時間後に長雨になりました・・・。一応、屋根の下に移動したもののどうなるものか。
2021年6月19日豆苗枯れる
土で栽培をはじめて11週目となった豆苗は、大方の予想通りの結果となりました。
薬剤を使った対処も虚しく、再生2回目の豆苗を除いた他3本は全体が黄色くなってカサカサに乾いてしまいました。
わずかに緑色の部分を残していますが、もはや完全に枯れるのは時間の問題でしょう・・・。
再生2回目の豆苗からはサヤエンドウが2房ほど実っています。
かろうじて生き残ってくれていますが、先行きは不安です。このサヤエンドウは収穫せずに残しておこうと思います。
まだ枯れずに残っている株もありますので、もうすこしだけ見守っていきます。
2021年6月26日、最終回となった豆苗
「トップジンM」の効果を期待して迎えた12週目の6月26日。最後に生き残った豆苗はどうなったのか、というと。
上から下、隅から隅までキレイに黄色くなりました。どこにも希望はありません。ドライフラワーのような状態に。
栽培用ではないうえに誤った栽培方法をとった当然の結果といえますね。
数本だけでもサヤエンドウの収穫までできて満足です。しかも経験したことのないくらい濃厚な甘みを持ったサヤエンドウを食べられただけでも大きな収穫でした。
豆苗ちゃんお疲れさま。
豆苗のリボベジ栽培まとめ
豆苗のリボベジ栽培は以上となります。
最後に私なりに気づいた豆苗リボベジのポイントをまとめますと。
- 水栽培は短めに
- 時期を見極めて
- 病気の対処は早めに
上記の3つが今回の反省点でもあり、今後の教訓になります。
枯れてしまった豆苗の株は、時間のあるときにブッコ抜いてやりたいと思います。
残った土ですが、サヤエンドウには連作障害が起こりますので、枯れた株を抜いたらこれからやってくる真夏の炎天下でリサイクルさせて、またなにか育てたいですね。
ここまでお読みいただきましてありがとうございます。